
ピラティスを始めたばかりの頃、私はいつも不安でした。
「これで合っているのかな?」
「ちゃんとできているのかな?」
レッスンを受けながら、そんなことばかり考えていた気がします。
ある時、勇気を出してエデュケーターの先生に聞いてみました。
「このエクササイズ、できていますか?」
すると先生は少し考えてから、こんな話をしてくれました。
「ピラティスができている人ってね、数メートル先から見ても何か違うんだよ。近寄りがたいという意味じゃなくて、その人の在り方や空気感に表れるんだと思う。」
当時の私は、その言葉の意味がよく分かりませんでした。
でもなぜか、その言葉だけはずっと心に残っていました。
今では私自身がレッスンを行う立場になり、
「できていますか?」
「これで合っていますか?」
という質問をいただくことがあります。
そのたびに、あの頃の自分を思い出します。
もちろん、動きの方向や身体の使い方についてお伝えすることはできます。
でも、「できているかどうか」を一言で答えることは、実はとても難しいのです。
最近の私は、こんなふうに考えています。
できる、できないは関係ない。
大切なのは、その動きに向き合おうとしていること。
自分の身体に意識を向けていること。
呼吸を感じようとしていること。
その瞬間そのものに価値があるのだと思います。
ピラティスを始めたばかりの頃は、
動きを覚えること。
形を真似ること。
正解を探すこと。
どうしてもそこに意識が向きます。
それはとても自然なことです。
私もそうでした。
だから最初から「感じてください」と言われても、なかなか難しいものです。
ピラティスには、呼吸や集中、コントロールなどの原則があります。
それらは「正解」を教えてくれるものではありません。
今、自分が何を感じているのか。
どこで力み、どこが頑張りすぎているのか。
呼吸と動きはつながっているのか。
そんなふうに、自分自身を観察するための道しるべのようなものです。
だから私は今でも、自分自身に問いかけています。
呼吸はできているだろうか。
集中できているだろうか。
身体の声を聴けているだろうか。
そして、その問いに完璧な答えを出そうとは思っていません。
問い続けること。
感じ続けること。
その積み重ねこそが、ピラティスの面白さなのだと思っています。
もし今、
「私にもできるかな」
「ついていけるかな」
そんな不安を感じている方がいたら、安心してください。
アラインチャームでは、上手にできることよりも、自分の身体に気づくことを大切にしています。
できるかどうかではなく、感じようとすることから。
身体との対話は、そこから始まるのだと思います。


